2016政見放送

さて、第二次安倍政権が発足してから約3年半が経過しましたが、アベノミクスを強力に推進し、前政権により混迷・低迷した状況から、経済もようやく立ち直ってまいりました。引き続き中小零細企業の活力を高める政策を進め、その効果を全国隅々まで行きわたらせ、地域経済を活性化させていかなくてはなりません。
今回の選挙は、こうした流れを更に確実なものにするための重要な選挙です。野党は全国の一人区で、国の防衛や消費税等について180度考えが違う政党同士による統一候補を擁立し、防衛や経済などの重要政策の違いに蓋をして選挙を戦っています。野党の議席が増えれば政治が不安定化し、現在の政策の推進に大きな支障が生じます。安定した政治を続けるため、自民党に対するご支援をぜひお願い申し上げます。
現在、我が国を取り巻く安全保障環境は、中国の軍拡や、北朝鮮の核実験や、弾道ミサイル発射などにより、非常に厳しい状況にあります。この数年で、安全保障の法整備や、体制づくりは大きく前進しましたが、日米同盟を更に強固なものにして、国の守りを万全なものにしなくてはなりません。
農業につきましては、群馬県は全国でも有数の農業生産県です。農業の発展的継続のためにも、TPPの国内対策を着実に進め、生産現場の不安を払しょくすると共に、所得の増大、生産の拡大に努め、更に県内の野菜、果樹、肉等の輸出拡大を図ることが重要です。
自民党は国土強靭化を推進しています。国民の生命・財産を守り、安心した生活が出来るよう、必要な投資は積極的に行い、防災機能を高め、甚大な被害が生じないように予め備えておかなくてはなりません。
さて、群馬県は東西南北の交通の要衝であり、世界遺産登録された富岡製糸場や県内各地の温泉など、豊かな自然と数多くの観光資源を有しています。県外や海外からの観光客も積極的に呼び込み、観光を振興することにより地域の活性化につなげていきたいと思います。
私は、自民党の幼児教育議員連盟の会長として永年、「幼児教育の無償化」に向けて取り組んでまいりました。幼児期の教育は子供の人格形成にとって最も重要なものであり、無償化によって親の経済的負担を軽減し、教育の機会の拡大を図り、多くの幼稚園、保育園児にしっかりとした教育を行います。これは、引いては少子化対策にもなるものと、私は確信しています。
教育は、国家や社会の将来の発展を左右する、未来に向かっての投資です。失われつつある「日本の心」を取り戻し、郷土や国に誇りを持ち、伝統や文化を尊重し、他国からも尊敬される、たくましい、道徳心の高い、真の日本人づくりにこれからも私は取り組んでまいります。
そして、「教育・文化国家」「道義国家」を皆さんと共に造っていきたいと思います。
皆様のご支援を切に切にお願い申し上げます。[/vc_column_text][vc_column_text]2.内閣改造
野田総理は、今月13日に内閣改造を行いました。「適材適所」と豪語していた前内閣の閣僚を、わずか4ヶ月余りで5人も交代させたのですから、総理自ら、適材適所ではなかったことを認めたも同然です。
先に参議院が問責した2閣僚も交代させました。今回の改造の目的は一川、山岡両大臣の解任が目的で、他の3大臣は「ついで」に交代させたようなものと言って良いと思います。総理がどんなに「最善かつ最強の布陣」と言われようと、この改造は、自らの任命責任をあいまいにした「問責カモフラージュ改造」に他なりません。
その証拠に、内閣改造で通常は上がるはずの支持率が、ほとんどが横ばいか、下がっているものもあります。新しい内閣に、国民が全く期待していないことが明らかです。
また、新しく任命された閣僚も、早速問題発言をしています。田中防衛大臣は、武器使用基準と武器輸出三原則の区別すらついていないことが露呈してしまいました。更に、辺野古の埋め立て工事について、「年内に着工する予定である、埋立の申請は6月頃を予定している」など、軽々しく発言しました。これは、沖縄の複雑な事情や、県民の感情、これまでの経緯などを少しでも理解していれば、出てくるはずのない発言です。

民主党内閣の閣僚は、鳩山内閣時から失言・暴言、恫喝、撤回、謝罪の繰り返しです。
今度の内閣も「適材適所」だとは到底言えません。
総理は昨年、原発事故により被災された方々の心を踏みにじる不適切な発言をし辞任した鉢呂前経産大臣については、「総理である自分に任命責任がある」と認めましたが、沖縄の少女暴行事件についての発言などで沖縄の方々の心も傷つけた一川前大臣についてはご自身の任命責任をどう考えるか、私は一川、山岡両大臣を任命した総理の責任は非常に重いと考えます。総理のご認識を伺います。
こうした問題大臣ばかりしか任命できない総理には、日本の首相としてのガバナンス能力に欠けているのではないかと疑わざるを得ません。混乱の続く現状を生み出しているのは総理自身であり、野田総理に反省はないのか厳しく問いたいと思います。

3.経済

(1)経済見通し
まずは、本年の日本経済の見通しについて伺います。政府の経済見通しでは、来年度の国内総生産の実質成長率を2.2%としています。
しかし、民間の調査機関の予測では、来年度の成長率は1%台後半とするものが多くなっています。また日銀が24日に開いた金融政策決定会合では、世界経済の減速や円高の影響などを見込み、2.2%としていた成長率を2%へと引き下げています。さらに、IMFが24日に発表した世界経済見通しでも、我が国の成長率については当初より0.6ポイント引き下げ、成長率は1.7%であろうと予測しています。
こうしたことなどから比較すると、政府の見通しはやや楽観的すぎるのではないかと考えます。
政府の見通しの根拠を見ても、成長の原動力は復興需要任せであり、欧州債務危機も安定化するだろうという希望的観測のような記述に見えます。
民間や日銀、IMFの予測は、円高や電力不足、欧州債務危機の影響などを厳しく見ているものと考えますが、この違いが生じていることについてどの様に考えるか、総理のご見解を伺います。

また、2.2%の成長率を達成するには、新しい成長モデルを打ち出し、成長分野への投資について選択と集中を大胆に行い、日本経済に活力を取り戻すことが不可欠です。政府与党は経済状況の好転を消費税引き上げの条件としていますが、成長戦略の具体案は全く見ることが出来ません。どの様に日本経済の活力を高めていこうとされるのか、総理のお考えを伺います。[/vc_column_text][vc_column_text](2)円高・デフレ対策
次に、円高・デフレ対策について伺います。復興需要に頼らず、日本経済を持続的な成長軌道に乗せるためには、極端な円高や長期にわたるデフレの是正が不可欠です。政府は何度も「円高・デフレ対策」と銘打った施策を講じていますが、状況は一向に改善していません。電力不足などとあわせ、企業にとっては、六重苦、七重苦とも呼ばれる状況です。

今回の第4次補正予算案には、円高に苦しむ中小企業の資金繰り支援なども盛り込まれています。もちろん、こうした支援策も必要ですが、これは円高是正策と言うより一時的な企業支援対策であり、本来、第3次補正で十分に手当てすべきものでありました。
また今回、為替介入のための資金調達枠も積み増しますが、介入は、あくまでも急激な為替変動を止めることは出来ても、中長期的に円高になっていくのを止めることはできません。

円高・デフレを抜本的に是正するためには、大胆な金融緩和、税・財政政策、新たな成長戦略など、あらゆる政策を総動員し、総合的な対策を取る必要があると考えます。特に、デフレからの脱却には、大胆な金融緩和を断行する他ないと考えますが、総理のお考えを伺います。

(3)4次補正
今回の第4次補正予算には、我々も緊急に必要だと認める事業もある一方で、本当に緊急なのか疑問を感じるものも数多くあります。

例えば、エコカー補助金、高齢者医療費の負担軽減、強い農業づくり交付金、国際分担金などは、税制改正での対応や来年度予算で計上すべきものであります。補正予算への付け替えは、来年度予算の歳出を少なく見せかけるためであり、第4次補正を「隠れ蓑」にしようとしているとしか思えません。
一方で、除染や汚染廃棄物の処理費など、緊急に必要な予算を来年度予算に盛り込んでいますが、こうした予算は3次補正に続いて4次補正にも盛り込むべきではないでしょうか。何故そうしないのか、総理、ご説明下さい。

(4)24年度予算案
次に平成24年度予算案について伺います。民主党のバラマキ4K政策は、既に破綻していることは国民の目にも明らかとなり、我々自民党は政策の撤回を強く求めてきました。その結果、昨年8月、バラマキ4Kの見直しについて自民・公明・民主の3党間で合意されました。

しかし、政府の平成24年度予算案を見ると、高速道路無料化の予算は合意通り計上されていませんが、高校授業料無償化と農業者戸別所得補償制度は、十分な検証も行われず、そのまま計上されています。
3党合意により、これらについては、当然、廃止の方向に向かうものと考えていましたが、何故そのままの形で残っているのか、総理に明確な説明を求めます。

「子ども手当」については更に大きな問題です。
3党合意では、所得制限も無いバラまきの子ども手当を廃止して、元の児童手当を拡充した制度に戻すことが決まりました。
ところが、先日の報道によると、民主党は、「児童手当法」を「子どものための手当支給法」という名称に変え、法律の骨格は実質的に従来の「子ども手当支給法」とほとんど変わらないものにしようとしているとのことです。
公の政党間で協議をし、文書を取り交わした合意は重いものです。約束を反故にするなら、民主党とは協議をして合意しても意味がないということであり、国民も民主党の言っていることを信用するはずがありません。
3党合意に従って、「子ども手当」は廃止し、児童手当を拡充する制度へ変更するということで間違いありませんね。総理に確認致します。

平成24年度予算でさらに問題なのは、基礎年金の国庫負担の財源として、「年金交付国債」を発行していることです。これは国債発行額を44兆円以内に抑えたように見せかけるための、完全なまやかしです。これは、借金の「飛ばし行為」のようなものです。

また、この年金交付国債は、将来の消費税増税で返すことを前提としています。つまり、消費税増税を既成事実化するという意図も隠されているのです。この点も、大いに問題です。
こうした点について、国民に納得のいく説明ができるのでしょうか。総理の見解を伺います。[/vc_column_text][vc_column_text]4.社会保障・税一体改革

(1)国会・国民無視
次に、社会保障と税の一体改革について伺います。政府・与党は、今月6日に「社会保障・税一体改革素案」を決定しました。

そもそも総理は、消費税増税について、昨年11月のG20の場で突然、国際公約してしまいました。国民生活にも企業活動にも大きな影響を与える問題について、国内で議論もしないうちに、国際公約してしまうというやり方は大きな問題です。これは、鳩山総理のCO2の25%削減や、菅総理の太陽光パネル1000万戸発言と同じであり、民主党の常套手段ですが、決して認められるものではありません。

さらに今回、野田総理は、国会での議論を始める前に、与野党協議で消費税増税を決めようと野党各党に持ちかけてきましたが、これは、国会や国民に議論が見えない形で増税を決めてしまおうということであり、談合で決着をつけようという誘いに他なりません。増税というような国民の直接的な負担増につながる法律について、国会を軽視するようなやり方に、我々は決して乗るわけにはいきません。それが、我々が与野党協議に参加しない理由の一つです。

改めて言うまでもありませんが、平成21年8月の選挙によって民主党が政権を取った時のマニフェストには、消費税を上げるとは一言も書いてありません。むしろ、様々な改革の財源は、16.8兆円の無駄削減で賄うと書いてあります。
その選挙で、野田総理は、当時は幹事長代理として街頭に立ち、「マニフェスト。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです。」と演説されていました。 それが今は、消費税を上げると発言されています。明らかに矛盾しています。総理、消費税増税は、マニフェストに書いていませんでしたね。総理の演説の論理に従えば、書いてないことをやるのはルールに反していませんか。国民に対する説明責任も果たさずに消費税の話を持ち出すことは許されないのではありませんか。総理、お答え下さい。

マニフェストに書いてない消費税増税を行うなら、まず民主党内の意見をまとめ、その上で改めて消費税増税をマニフェストに明記して、解散・総選挙で国民に信を問うべきであります。
また総理は、「民意の裏付けのない政権が国の舵取りをし続けると言うことでいいはずがありません」とご自身の著書の中で、当時の自民党政権を批判されました。民主党政権も鳩山内閣以後、菅・野田内閣と民意の裏付けとなる選挙を経ずに内閣が代わりました。ご自分の発言に責任を持つなら、やはり解散・総選挙で信を問うべきです。総理のお考えを伺います。

(2)不明確な社会保障改革
この一体改革の素案のもう一つの問題は、社会保障改革の内容です。
素案では、「速やかな」、「早期に」、「できる限り」、「引き続き検討する」など、歯切れの悪い役人言葉ばかり並べ立てられ、どんな改革を行うのかもハッキリ示されていません。
逆に、消費税の増税については、平成26年4月に8%、27年10月に10%というスケジュールをハッキリと決めています。

レストランで料理のメニューも見せてもらえずにお金だけ払わされるようなものであると批判する人もあり、このような改革では国民の将来への不安を払しょくすることはできず、かえって社会保障への不信が募る結果になることは目に見えています。

また、岡田副総理は「抜本改革には更なる増税が必要」と発言されていますが、消費税を10%に引き上げるかどうかという議論が国会でまだ行われてもいない段階で、しかも政府・民主党の歳出削減策も不十分な状態で、追加の増税に言及するなど、国民も困惑していると思います。
政府はまず年金改革を含む社会保障の全体像を明確に示すことが必要であり、将来的にどの位の国民負担を求めることになるのかを明らかにすべきであると考えます。
総理から明確な説明を求めます。[/vc_column_text][vc_column_text]5.震災・原発対応

(1)復興予算
次に、東日本大震災と、原発事故への対応について伺います。昨年、自民党を始めとする野党も全面的に協力して、震災復興のための第一次から第三次までの補正予算が成立しました。あわせて15兆円が、本格的な復興のために使われることになっています。
復興事業は、菅前総理の復興を人質にした政権居座りや、その後の野田政権の動きの鈍さによって大幅に遅れ、未だガレキが山と積み上げられています。補正予算は速やかに執行されてこそ効果が上がるものです。
被災地では、3度の補正予算で計上された約15兆円のうち、現在までに執行された予算額はどれ位なのでしょうか。責任ある予算執行が出来ずに遅れている部分があるのは何故なのか、総理から被災地の皆さんが理解できるご説明を頂きたいと思います。

(2)原発事故対応
次に、原発事故対応について伺います。
政府が原子力災害対策本部や緊急災害対策本部などの震災関連の組織の会議の議事録を作成していなかったことが明らかになりましたが、これは、政府の杜撰な事故対応を象徴しています。議事録がなければ、当時の政府の事故対応が適切であったかどうかの検証が出来なくなり、政府の責任は極めて重いものであります。当時の官房長官等の責任について総理はどの様に考えるのか見解を伺います。

さて、総理は昨年12月、事故の収束宣言を行いました。しかしながら、まだ問題が種々残っているということで、福島県議会は、全会一致で、収束宣言の撤回を求める意見書を採択しています。また、海外からも、宣言は時期尚早ではないかという懸念が寄せられました。総理は、これらの意見書や懸念に対し、どのようにお答えになるのか、伺います。

除染作業についても伺います。今後、どのような範囲・方法・スケジュールで除染を行うのか、その費用はどの程度になるのか、現段階の見通しをお教え下さい。

また、除染に伴う廃棄物の処理も大きな問題です。現在、仮置き場や中間貯蔵施設の場所選定が難航しています。一刻も早く中間貯蔵施設などの場所を選定すべきですが、この遅れが復興の妨げになっています。ガレキ処理には政府の一層の努力を求め、現状について総理からご説明願います。

住民への賠償も急ぐ必要があります。政府は、避難指示区域外の23市町村の住民に、一人当たり8万円、子どもと妊婦には40万円という賠償指針を示しました。しかし、実際の損害額は、とてもこれで納まるものではなく、また県内全域を対象とすべきとの声もあります。この指針を上回る損害に対し、迅速に、適切な額の賠償を行う方法について、政府の方針を伺います。

住民の方々の健康管理も重要です。今回のような低線量被ばくの健康への影響は、わかっていない部分もあります。中長期的に検査をして、健康管理を行う必要があると考えますが、政府の対応方針をご説明下さい。[/vc_column_text][vc_column_text]6.外交・防衛

次に、外交・防衛政策について伺います。
(1)日米同盟・普天間問題
まずは日米同盟・普天間問題です。鳩山政権以来の普天間基地の移転問題をめぐる失態続きにより、民主党は、沖縄からも、米国からも信頼を失いました。野田政権になってからも、一川大臣、田中大臣の無神経な発言、昨年末の強引な環境影響評価書の提出など、沖縄県民の感情を逆なでし続けています。

米軍再編のロードマップでは、普天間飛行場の移転を前提として、海兵隊のグアム移転、嘉手納基地以南の広大な土地や施設の沖縄への返還が行われることになっています。
普天間の移設が進まなければ、基地周辺地域の危険が減少しないばかりでなく、沖縄の発展に活用が期待されている土地や施設の返還も遅れることになります。

「覆水盆に返らず」という故事の通り、もはや民主党政権の力では、沖縄の信頼も、アメリカの信頼も、回復するのは困難です。
鳩山元総理のあのひとことで普天間基地問題が迷走し、沖縄に大きな混乱を引き起こし、国際的な信用を失うとともに、地域への安全保障上の問題が生じている事を考えますと、鳩山元総理の発言は万死に値するものであり、責任は極めて重いものです。今日までの迷走と混乱を引き起こした民主党の党代表として、総理は責任をどのようにとるおつもりなのか伺います。

(2)北朝鮮問題
続いて、北朝鮮関係について伺います。
先日、中井元拉致問題担当大臣が、中国の瀋陽で、北朝鮮のソン・イルホ日朝交渉担当大使と4回目の接触を持ったと報じられました。政府の職員が公務の出張として同行していたということです。野田総理は今回の訪朝を事前了解していた、とも書かれていました。まずこの報道が事実であるのか総理にお伺い致します。
もし、議員個人としての活動であったとすれば、政府として中井元大臣の行動に対し厳しく対処すべきであります。拉致された方々全員の早期の帰国は国民誰もが望むことでありますますが、北朝鮮は、平成20年8月に「拉致問題に関する調査のやり直しを約束」しながら、調査開始を棚上げにしたままです。

諸々の周辺情報からも、中井元大臣による交渉は、総理の承認の上で進めらたことと思いますが、一体どのような指示を与えているのか、総理にお尋ね致します。

一方で、金正日総書記が死去したことは、拉致問題については、一つの転機になり得るとの見方もあります。この機会を捉えて拉致問題の解決に向けて、どの様に取り組んでいくのか、政府の方針を伺います。

また、六者会合の枠組みとの関係では、今後どのように交渉を再開させる考えなのか、重ねて伺います。

また、北朝鮮に関連して、朝鮮学校の問題についても伺います。昨年行われた朝鮮総連の幹部会議で、神奈川朝鮮中高級学校の校長が、朝鮮学校を代表して、金正恩朝鮮人民軍最高司令官への忠誠と愛国教育の推進を誓ったという報道があります。
れが事実であれば、朝鮮学校に対し、補助金や、高校授業料の無償化の適用という形で公金を支出することは、行うべきではありません。

既に東京都は朝鮮学校への補助金を来年度予算に計上しないことを決めました。他にも凍結や削減を行っている自治体もあります。
朝鮮学校に対して補助金や高校無償化というような支援を行うべきではないと考えますが、野田総理のお考えを伺います。

(3)近隣諸国との関係
次に、他の近隣諸国との関係について伺います。

まず、日中関係については、尖閣諸島沖の漁船衝突事件以降も、最近では、五島列島沖や小笠原諸島沖での中国漁船による領海侵犯事件が発生しています。中国の国内市場の拡大とともに、今後さらに中国漁船の活動は活発になると考えられます。

こうした事態に対応して、我々自民党は、中国漁船の不法操業に対する監視を強化するための議員立法を提出することを検討しています。政府においても領土・領海を守る対策を強化すべきと考えますが、どのような対策を取ろうとしているのか、総理に伺います。

日韓関係では、特に、野田総理の弱腰外交が目立ちます。
ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像については、総理は李明博大統領に撤去を求めたとのことですが、同大統領から「日本が何もしなければ、第2、第3の像が立つ」などと発言があったようです。
韓国は、竹島での海洋基地建設など、不法占拠を強化しようとしています。このような国家の主権に関わる重要な問題に対しては、野田総理は強く抗議し、毅然とした対応を取るべきであります。
韓国が日本にとって、隣国であり、最も重要な国の一つであることは言うまでもありませんが、両国の間には様々な問題があることも事実です。そうした中でも主張すべきは主張し、お互いに理解を深めていくことこそが重要であり、そこから真の友好関係が築けるのだと思いますが、総理の見解を伺います。

続いて日露関係について伺います。
最大の懸案である北方領土問題は、現在は膠着状態ですが、3月の選挙でプーチン首相が再び大統領となった場合には、状況に変化が生じる可能性もあります。また、今年のAPECはロシアのウラジオストクで開催されることとなっており、極東の国際関係に注目が集まります。
ロシアが新しい体制となった場合、対日政策にどの様な変化があると認識し、また北方領土問題の解決のためにどのような対ロシア政策をとっていくのか、総理の見解を伺いたいと思います。[/vc_column_text][vc_column_text]7.八ッ場ダム

次に、八ツ場ダム問題について伺います。民主党は、八ツ場ダムの建設再開を決めました。過去の経緯も現場の状況も全く理解しないままにいきなり中止を言い出し、これまで積み上げてきたプロセスを踏みにじって、地元や関係者を散々混乱させ、苦しめた挙げ句、元の案に戻るという構図は、普天間問題と全く同じです。

八ツ場ダムをはじめ、多くのダムは地元のためだけにあるのではありません。都市部へ水や電力を供給するため、また、流域の洪水を防ぐために、地元の犠牲の上に作られているのです。こうした理解や協力の上に、都市部の快適な生活があることを、忘れてはならないと思います。
地元の方々がどのような気持ちで先祖伝来の土地や家を手放し、ダム建設を受け入れてきたのかを考えれば、中途半端に途中まで作っておいて突然中止するなどという勝手なことができるはずがありません。当時の鳩山内閣の「友愛」や「命を守りたい」などのスローガンが非常に白々しく聞こえます。

そもそも「コンクリートから人へ」というスローガンのもと、五十数年に亘る複雑な経緯も考慮せず、八ツ場ダムを中止としたマニフェスト自体が間違いです。建設継続は当然のことであり、2年3ヶ月あまりにも及ぶ地域の混乱と住民の不安、苦痛に対し、総理も責任者として謝罪すべきであると考えます。またこの遅れを取り戻すために、一日も早い完成に向けて事業の促進をすべきでありますが、内閣の責任者としての総理の責任ある答弁を願います。

8.参議院自民党の決意

本年は、サンフランシスコ講和条約が発効して60年となる年です。自民党は、主権を回復した4月28日に新たな憲法改正草案を発表する予定です。
我々、自民党は、真の保守政党として、我が国の歴史と文化・伝統など大切にすべきものは大切にし、改革すべきものは大胆に改革し、憲法の改正等、新しい時代の日本の国づくりの基本を国民に示してまいります。同時に、皇室の今後の有りようや国会のあり方など、国家の根幹の問題にも全力で取り組んでまいります。

今年は世界のパラダイムも大きく変わると予想され、先行きの不透明な年ですが、我が国はこれまでにも幾多の困難を乗り越え、世界の発展に大きな貢献をしてきました。今後も私たち日本人は、自信と責任感を持って、新しい世界の平和と発展のために貢献して行かなくてはなりません。
そして、厳しい時代を切り開いていくためには、日本人としてのアイデンティティーを持った、逞しく、自立した、真の国際人を育成していく必要があります。人づくりこそ国家の最重要課題でもあります。
同時に、科学技術を一層振興し、かつてのように元気で希望に満ちた活力ある日本の復活を目指して行かなくてはなりません。

我々、参議院自民党は、この日本の難局を、国民とともに乗り越えるために力を尽くすことを表明し、私の代表質問を終わります。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]